Ka-wa-ra-mo-no

1août 2019, jeudi

 

この3月まで芸大の教務課長だった小森和幸さんが都市計画局すまいまちづくり課に移動し、東九条の高瀬川と脇の須原通り近辺の担当になった。

小森さんから、東九条の住民を集めて「高瀬川と須原通りへの想いを語る会」をするので来てくれと頼まれ、東九条の「地域・多文化ネットワークセンター」へ。例の付箋紙を使ったまちづくりアイデアワークショップ。小森さんが仕切っている。参加者は、地域に十分な見識をおもちで、はっきり意見を述べる方が多かった。東九条マダンのキン・クワンミンさんも来られていた。

 

秋に住民の意見をふまえたデザイン案提示、来年2月には基本設計とすすむ。

高瀬川沿いの修景は、河川整備課からすまいまちづくり課にイニシャチヴが移った。

だが縦割り行政で、区画ごとにばらばらに進めている。

高瀬川をトータルに考えてくれといっても耳を貸さない。

行政を相手にすると貧乏くじを引くことになるので、身を引いておこう。

 

崇仁に立ち寄ると崇仁テラス横のフェンスが撤去されていた。

まだ道路の整備があるので、低い柵をつけるらしい。

芸大移転で取り壊す市営団地の住民が入る崇仁団地新棟が全貌を表わした。

同じ仕様(デザインとはいえない)の団地が塩小路通りの北にも出来ている。

再来日した鄭波(ジェン・ボー)とばったり出くわす。

 

崇仁テラス

新幹線が通るのが見えるこの風景も、芸大B地区ができれば消える。

5階建ての建物は高さ22.5mもあるからだ。

テラスをつくったときから予想していたこととはいえ、空き地を流れていた高瀬川がビルの谷底になるのだ。

芸大移転の基本コンセプトを「テラス」としたのはぼくだから、忸怩たる思いにかられる。

 

このあと、東九条のハトバカフェで、アートブック・ユリーカの小西友紀子さんと海外の美術書の出版・流通事情などについて話す。

彼女はもうすぐチューリヒへ移住する。まもなく8月4日から最後のブックフェア。

ウェブサイトの充実ぶりがすごく、毎月20000件のアクセスがあるという。

 

6時半からは、近くのうるおい館で、崇仁自治連合会の人たちと芸大設計JVの大西麻貴さん、行財政局やすまいまちづくり課の職員らと打合せ。芸大の外構工事についてのプレゼンと住民の意見聴取。

地域としては消滅するに等しい崇仁の歴史と記憶をキャンパスの内外のデザインに埋め込んでいくこと。

外構工事はまちづくりと深く関わるので、芸大の建設費を削るのではなく、京都市から別途予算を出させる必要がある。

七条以南の高瀬川流域を「創造の河原」にせよと河原者はつぶやく。

だが、縦割り行政に居直る京都市には無理だろう。

 

気がつくと、もう8月。

 

Suujin Terrasse vol.6

28, 29 juillet 2019, dimanche et lundi

 

「崇仁テラス」第6期の制作。

台風6号が近畿に来たため、27日(土)は作業はやめて、28,29日で設置を行った。

 

28 juillet 2019, dimanche

 

人手が足りないこと、川の西側からの搬入路がふさがれていることを心配して、長岡京でトラックをレンタル。

だが元崇仁小学校に着くと、菊浜高瀬川保勝会の上村隆明会長、七条大橋をキレイにする会の井上茂樹さんと石原さん、照明会社(なないろ電気)の井上社長とスタッフの前中由希恵さん、京都造形芸大学生の奥山愛菜さんらが待ちかまえてくれていた。

 

足場板54枚、コンクリ台付き束柱15本、梁や筋交い用の木材を3回に分けてトラックに積み込み、川の東側の団地(楓のまち)の車路から搬入した。トラックから川岸までリレーで運んだので、午前中に資材搬入は終了した。

途中、団地の5階の住民から「うるさい、静かにしろ」と怒鳴られたので、昼食後ビールを持って挨拶に行く。

訪れた住居には、なんと去年の生き物アートワークショップの参加者の女の子がいて、面倒なことは起こらずに済んだ。

 

崇仁テラス

午後は、まずテラスの設置位置を決め、対応する川面に繁茂した草刈から始める。

はじめ南側にずらすことを考えたが、やはり大島桜の木陰が夏の日差しを遮るので、位置は春と同じ。

崇仁テラス

崇仁テラス

手伝ってくれた奥山愛菜さんは、京造の総合造形コース2回生。「ソーシャルアート演習という授業で、フィールドワークをして作品を制作する」ということをしていて、崇仁での活動を知って、参加してきた。

瀬戸内の自然豊かな環境に育ったらしく、立体造形を学んでいるので、インパクトドライバーも扱え、施工のセンスもいい。

 

「ソーシャルアート演習」というのは京芸にはないタイプの授業だ。

最近あちこちの大学で、地域に関わる授業を行っているらしいが、そういう枠組みをわざわざ授業として学生にやらせることに違和感を覚える。私的個人的なことは同時に政治的社会的なものであるように、人間や物質に関わるアートはもともとソーシャルなものだ。日本各地の「地域アート」の流行が背景にあるのだろうが、ぼくは基本的に「アート」の前に何かを冠することがきらいだ。

アートはアートであって、それ自体としての深さと広がりをもつ流動体であり、多様な変化を許容する。

ぼくはじつは芸術至上主義者なのだが、そう見られないのは、「芸術」の定義が人とちがっているのだろう。たぶんアートを市場価値でしか見ない連中と。

 

崇仁テラス

川に足を浸す「足水」。夏にぴったりだが、冷やしすぎるとよくないらしい。

 

崇仁テラス

この日は構造が組めたところまで。(午後4時すぎ)

 

29 juillet 2019, lundi

 

崇仁テラス

翌日は朝から川の水は濁り、水量も多い。

塩小路以北の高瀬川に重機を入れて、草取りと河川整備を行っている。

南部土木事務所が委託した業者の仕事らしい。

崇仁テラス

この日、午前中は筋交いなどの補強を行う。

水量が多く、いつもは見える束柱のコンクリ台が水没している。流れてくる草の量も半端ではなく、テラスの足にひっかかる。

この除去が問題だ。

崇仁テラス

昼は前日と同じ須原通りの「あい子ちゃん」食堂で。前日はマンボ焼、この日は焼きそば。

崇仁テラス

あい子ちゃん食堂で、久しぶりに仁君と会う。2年前の2017年12月、テラス解体の時にやってきて、手伝ってくれた。

「今、またテラスつくってるけど来ないか」と誘うと、午後にやってきた。

仁君は芸大移転のC地区になる市営住宅26号棟に住んでいて、11月にはテラス西側の市営住宅新棟に引っ越してくるという。

地域の当事者でもある彼がテラス作りを手伝ってくれるのはうれしい。

お父さんが大工らしく、インパクトドライバーもすぐに使い方をマスターするなど、ボランティアおじさんよりはるかに施工センスがいい。

崇仁テラス

すきまをそろえる。

崇仁テラス

午後4時過ぎ、二人で無事テラスを完成させ、かき氷で乾杯。

崇仁テラス

気持ちいいとテラスに寝そべる。大きなすきまからは川の流れがよく見える。

川の上はつねに空気が動き、体感温度も低い。午後になるとテラスは高層団地で影になり、夏でもかなり快適だ。

団地や近所の人が気軽に利用してくれたらと思う。

 

崇仁テラス

看板やベンチもあることを知っていて、置こうと率先して動く。配置は仁君の指示に従った。

このあと、川から重たい岩も引き上げて設置した。

 

la tonte et l'abattage d'arbres

27 juillet 2019, jeudi

 

アクアテラスプロジェクト

7月24日、京都芸大のキャンパス内で雑草刈りが始まっていることに気付く。

オープンキャンパス(8/4日)前に学内を多少きれいにしておくべく、総務課の施設担当が前任者から引き継いだ指示書を業者に託す。

この手続きを知らなかったので、2年前、つちのいえの丘の斜面がいつのまにか丸裸にされていて、苦情を言ったことがある。

「勝手に刈るな。ススキは屋根の材料なのだ」、と。

以来つちのいえの丘は草刈りの対象からはずされたようだ。

業者に渡した指示書をもらって、そのことが判明した。

アクアテラスプロジェクト

業者は大枝の大藪さんの親戚の植治造園。「うえじ」が大枝にもあるのかと思っていたが、「うえはる」と読むらしい。

草刈りと伐採とそれらの始末で、相場は知らないが、費用はびっくりするほど高い。

ぼくはなんでも自分でやる身なので、世間の常識を知らないらしい。

 

地図で微妙に色を塗っていないのが池のまわり。

だが、夏前で樹木も雑草も、ものすごい繁茂状態になっている。

2年来時間をつぶされている学内問題に対処するため、あることを思いついたので、1時間ほど池の周りの木や草を伐採した。

切るのは簡単でも、始末が面倒。だが大藪さんが伐採した木を持っていってくれるというので決行した。

 

アクアテラスプロジェクト

自然池と丸池をつなぐ水路が葉っぱで埋まって流れていなかったが、少し落ち葉を取り除くと水が流れるようになった。

アクアプロジェクト

 

アクアテラスプロジェクト

池と水路のあいだは20cmほど高低差があって、池の水が増えたら水路に水が流れるようになっていたが、水草の根と落葉が絡んで流れをふさいでいた。そこを切り開くと池の水が流れ出し、せせらぎがよみがえった。

 

15年くらい前だったか、事務局が池のまわりに柵をつけた。

学内を通る地元の子供が落ちたら危ないという理由だった。安全対策を言うことで管理強化する事務屋の発想だった。

教授会で反対したが、他のだれも反対せず押し切られた。

案の定、柵のために人々の池への関心は低くなり、まわりの樹木も放置状態になった。

そのころまで池にはポンプで空気を送り込んでいたが、ポンプはいつのまにか故障して、動かなくなった。

 

アクアテラスプロジェクト

ポンプの場所は設備課の山本さんに教えてもらった。おそらくだれも知らないだろう。

山本さんは芸大の職員ではなく、受託業者として施設管理を担当している。

ぼくが芸大の中で一番仲のいい人といっても過言でない。

 

アクアプロジェクト

造園の大藪さんに、草を刈るなら水路の岩を見えるようにしてほしいと頼んだ。

刈った草木も持っていってくれた。

学食前は指定からはずれていたので、ぼくが自分で刈ることにした。

枝切りばさみを持っていったのではかどった。すごく切れて、ノコギリより効率がいい。

池を視界から遠ざけていた雑木が柵の内外で繁殖していたが、1時間ほどで片づけた。

伐採は視界を開く感じで心地よい。

 

 

アクアテラスプロジェクト

すっきりと池が見えるようになった。

雑木を伐採して、地面と水面、此岸と彼岸を視線でつなげるようにすることは、あまり時間はかからないとの実感を得た。

 

問題はこの柵を取り去り、かつての親水性を回復することだ。

学生が破傷風になるという水のよどみ、ヘドロやゴミのたまっているらしい池の底。

それらはこの柵が人々と池の生きた関係を断ち切ったことの帰結だ。

池をきれいにするためには、亀やスッポン、カエルや魚たちに気を使いながら、いったん水を抜く必要がある。

抜いても湧き水だから水は自然とたまる。

新しいポンプで空気を送り込んでたえず水を動かすことも必要だろう。

 

これらの作業の向こうに、"@KCUA-Terrace"は浮上する、だろうか。

綿密に計画を立てねばならない。

 

Lieu de travail

21 juillet 2019, dimanche

 

「作業場」ということ。作業と場所の結びつき。

場所が作業を呼んで方向を与え、作業によって場所(に埋め込まれていた可能性)が花開く。

 

Bambio

長岡京駅前バンビオにて。こども造形教室「ちびっこペインターズ」によるワークショップ。

 

Suujin

元崇仁小学校体育館西側の崇仁高瀬川保勝会作業所で作業する「七条大橋をキレイにする会」のメンバー。

8月4〜6日の七条大橋ライトアップに向けて、照明機材の設営準備。

ここは将来の京都芸大の敷地内だが、体育館は残るので、ぼくが西側の屋根付きスペースを勝手にテラスづくりの作業場にしていた。

そこを地域でものづくりに関わる市民のシェアスペースにすることにした。(ただし持ちつ持たれつの関係にある人のみ。)


世間は消費のためのスペースに埋め尽くされている。こういう作業場がいたるところで生まれたらと思う。

消費行動や所有関係を越えた、人と人、人と資源の新たな創造的ネットワークのために。

 

立入禁止

総合基礎実技がやっと終わって、もうすぐ夏休みが来る。

ぼくの作業の夏がはじまる。

 

Où sommes nous ?

18 juillet 2019, jeudi

 

しばらくつちのいえの作業をしていないので、植物が繁茂して丘がすごいことになっている。

どこの国かと思う。

壊された旧大藪家の土壁の土でできた土浮庵が沓掛ジャングルに浮かぶ。

 

この日、深夜、次の高瀬川掃除のチラシを出稿した。

地元の林伊佐雄さん夫妻に取材し、記事らしきものを書いた。

あいかわらず一人で全部やっている。

共通しているのは、見下ろす視線。これは「地面を見上げる」というぼくの活動コンセプトの裏返し。

来週の土日、テラスづくりだ。

 

崇仁高瀬川保勝会チラシ

 

崇仁高瀬川保勝会チラシ