Œuf debout

30 juin 2019, dimanche

 

京芸の日本画を修了した高橋めぐみさんと児島優美さんから、「作品報告会」をするので来てほしいと便りがあり、指定の時間(16:30)に東山区本町のきっさこ和束へ。

高橋さんが修業中の庭師・小川治兵衛先生も来られていて、驚く。

きっさこ和束の2階のレンタルルームで彼女らが見せてくれた作品はそれぞれ一点だけ。

働き出すと、なかなかまとまって制作に取り組む時間はないので、二人で3ヶ月に一度、報告会を開くことにしたそうだ。

芸大を出て、働いたり住む場所が変わったりして、学生時代のように制作ができなくなるのは普通のことだ。

でも彼女らには制作を続けてほしいと思っていた。小川先生もぼくも彼女らの作品を丁寧に見て、丁寧に言葉をつむぐ。

児島高橋作品報告会

 

児島さんのは異なる草の群れを一つの画面に合成した情景画。カンヴァスに顔料や胡粉、クレパスを使って質感豊かに描いている。

高橋さんは、紙張りパネルに卵が一つ立っている絵を胡粉や蜜蝋を用いて描いている。抽象的象徴的な風情。

彼女は卵を立てるのが得意のようで、実際にみんなで卵を立ててみましょうと提案する。

で4人で卵立てに挑戦。高橋さんはさすがにスムーズに立てる。ほかの3人は悪戦苦闘。

だが、しばらくしてぼくも卵を立てることができた。生まれてはじめてだった。

 

卵立てる

 

きっさこ和束は、和束町に住むオーナーの奥さんの和束への想いを込めてつくられた和風喫茶で、空き家になっていたご主人の実家を改装したという。喫茶とレンタルスペースがある。

 

ぼくらが只者でないことを察知したのか、別棟に宿があるので、ごらんになりますか?と聞かれる。

路地の奥に「季楽」という一棟貸しの京町家の宿があった。ここもご実家の一部だったらしい。

相当傷んでいたらしい町屋を大胆に改装している。乃村工芸社が空間デザインを担当したそうだ。

 

季楽

宿という非日常的な空間は、デザインの自由度を高める。和束の風景を移すというコンセプトで、ディスプレイ会社らしい「見せ方」を徹底していて、奥さんは満足げだ。(*→乃村工芸社のサイト

 

きっさこ和束

奥さんが立つ芝生広場は、屋敷の火事あとらしい。相当大きなお屋敷だったのだろう。

たぶん火事が原因で和束に引っ越されたのではないかと推察する。

建物がなくなって光が入って明るくなってよろしいがな、と小川治兵衛先生。

森を見るように町を見られているのではないか。

 

documents

29 juin 2018, samedi

 

4月以降、昨年度(2018年4月〜2019年3月)までにやったアート系の仕事の記録集や報告書が次々届いた。

静岡大学アートマネジメント人材育成のためのワークショップ100〜地域リソースの発掘・連関・創造のために』

助成:文化庁大学における文化芸術推進事業 編集:白井嘉尚、平野雅彦、井原麗奈ほか

A4 110頁 デザイン:秋山克徳 発行:静岡大学 

 

教育学部の白井嘉尚先生の最後の仕事。ぼくは2016年から3年連続で美術実技系のワークショップをやった。

昨年は「水へ/水から」。

平野雅彦先生、井原麗奈先生、一ノ宮由美さんらにもお世話になった。

 

都美術館

『都美セレクショングループ展2018記録集』

編集:田中宏子、田村麗恵、平方正昭

A5 60頁 デザイン:佐伯亮介 発行:東京都美術館 *ダウンロード可能

 

「複数形の世界のはじまりに」というチーム名=展覧会名で展示。

高瀬川上につくる6×8mの「崇仁テラス」を東京都美術館の地下展示室に平行移動し、空間を変形して展覧会をつくった。

 

おもかげおこしふくわらひ パラレル/クロッシング エキジビション3』報告書

企画・執筆・編集:吉原美恵子(徳島県立近代美術館学芸員) 

発行:パラレル/クロッシングエキジビション実行委員会、障害者支援施設シーズ

210x210mm 36頁 デザイン:内村不二子

 

昨年夏の徳島の障害者支援施設でのワークショップ〜秋の徳島県立近代美術館での展示〜2019年1月 京都アートスペースCOJINでの展示がコンパクトにまとめられている。3月には阿南市でもやったが()、ぼくは行けなかった。

 

マダン

『東九条マダン報告書2018』

編集:東九条マダン実行委員会 B5 36頁

 

昨年11月3日に元崇仁小学校と崇仁テラスで行われた東九条マダンの報告書。ぼくは絵を寄稿した。

 

発酵

『発酵をよむ:藤枝守・井上明彦・稲垣智子』記録集

編集デザイン:野口ちとせ A5 18頁+CD 発行:+1art

 

2019年1月30日〜2月16日、+1artギャラリーの企画で開催した「発酵をよむ」展の記録。

発酵音が聴けるCD付き。

50部送ってもらったが、あちこち差し上げてもう10冊しか残っていない。

 

Ce ne sont pas des lettres.

18 juin 2019, mercredi

 

芸大の造形計画1の授業。今年は文字の造形性・空間性をテーマにしていて、この日はクレーの文字絵を「演奏」する。

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「精神はどこにおいてもっとも純粋であるか? はじまりにおいて。したがって、フォルムを考えるのではなく、形成を考えること。……「文字」の発生は、運動のもっともよい比喩であろう。芸術作品もまず第一にゲネシス(発生)として捉えられねばならない。」――パウル・クレー

 

A_アルファベットの任意の文字を用いて、「文字絵」を制作する(クレーの『造形思考』から)
B_任意の数字を用いて、「文字絵」を制作する(変奏)
C_任意のひらがなを用いて、「文字絵」を制作する(変奏)

 

注意:

・「はじまり」を意識すること
・紙に鉛筆(色鉛筆も可)、青カーボン紙、大きさ、紙質自由

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最近また絵やドローイングをする時間がなくなっているので、課題を出しながら、自分でもやりたくてたまらなくなる。

で、青カーボン紙を使って「これはもじではない」と描く。偶然にもクレーが描く顔のような形象が生まれた。

この課題、音楽好きだったクレーも喜んでくれているとしておこう。

文字絵

アルファベットやひらがななどの表音文字と並んで面白いのが「数字」だ。

数字は並んでいるだけでも面白い。具体の田中敦子は数字を書くことで絵画から別次元の平面に飛躍した。

この領域をぼくは「数字美術」と名付けている。

数字美術

昔の芦屋市美術博物館での童美展で。

「数字美術」は、児童詩誌『きりん』をやっておられた故・浮田要三先生から示唆された。

数字美術

パリの街角で。

à Tokyo

15 juin 2019, samedi

 

大妻女子大学博物館で「東南アジアの狩猟採集民の生活」展というのが開かれている。

次年度みんぱくの特別展に協力するにあたって、何か参考になると思って久しぶりに上京した。

大妻女子大学博物館

大妻女子大学博物館

大妻女子大学博物館

生ものが使えないため、バナナの葉は印刷物。だから黄色くはならない。竹も使っていない。

庭師の人たちにたててもらったらしい。

 

サロン

アマンダン海域でいまだ狩猟採集民として暮らす「サロン」というのが圧倒的に面白かった。

9月に会うことになっているマレーシアの先住民オラン・アスリの暮らしはどうだろうか。

 

展示されていたパネルが面白かったので作り直してみた。

 

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ちょうど1年前、東京都美術館のセレクション・グループ展に「複数形の世界のはじまりに」という名称で参加したが、そのときにゲストで来ていただいた白井美穂さんらが参加するグループ展「ヘテロトピア」が同じ枠内で開催されていて、その見学も兼ねてのことだった。友人のひらいゆうさんが参加している「エゴエメ・コレクティブ」も同じ枠内で開かれている。

 

都美のセレクション・グループ展は、団体展の多い都美術館の性格を横滑りさせ、現代美術の領域開拓と若手作家の登竜門的な性格を持っていたように思う。それが去年、ぼくら中堅が参加したあたりから年齢層があがって、ヘテロトピアもエゴエメも中堅以上の作家たちからなっている。

比較的大きな会場で作家主体のなんらかの企画展をする場所が国内に少ないこともあるのだろう。今年は『美術手帖』web版でもとりあげられている。昨年は事前にそういうメディアにとりあげられることはなかった。

 

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いつも案内状を送ってくれる Gallery 38(渋谷区神宮前、Stephanie Quayleの熊の粘土彫刻)を初めておとずれる。入口でぐうぜん京都芸大生3人と出会う。

東京ではあまりまち歩きする余裕ないが、近くにはつっぱった建築をいくつか見かける。

だれの設計か?

MA2 Gallery(渋谷区恵比寿3-3-8) つっぱって軒がない。この日は大雨。

コンクリ打ちっ放しかと思ったら、内壁はコンパネに塗装していた。

屋上にラクダ。荒川区西日暮里のHIGURE17-15

 

去年の都美術館での搬入展示の際、日暮里のAirBnBに寝泊まりしていたが、作業に忙しくまったくあたりをうろつかなかった。

日暮里に富士見坂があったのを思い出した。

坂や崖が多い面白い地形がこのエリアに広がっている。

短時間の散歩だったが、ここが一番面白い物件だった。

 

une scène

4 juin 2019, mardi

 

解体工事

解体工事

171号線に出る前に出会った光景。

解体工事の最中だった。