ARTATA repérage_1

30 octobre 2016

 

schedule_Tata

 

今回の南モロッコ行きは、アトラス山脈を越えたところにあるタタという町とその周辺で来年に開催される予定の"ARTATA"という国際展のための準備事業にあたる。

モロッコのRabat出身の景観デザイナーで科学ジャーナリストのCatherine Tastemainさんが企画し、僕を含む6人の作家に参加を呼びかけた。

テーマは「風景と対話する芸術」----"Les Premières Rencontres Internationales Art-Action et Paysages de la province de Tata"

モロッコ人2人はともかく、ドイツ、フランス、イタリア、日本からの参加者にはまったく未知の土地なので、現地の風景の体験とと、地域の人々や職人との交流を通して可能性を探るというもの。

企画書は送られてきたが、ホームページもなく、雲をつかむような感じもあったが、旅費や滞在費を負担してくれるというので、思いきって行くことにした。アフリカの魅力に抗うことはできない。

日程は一番遠い日本から来る僕に合わせて調整してくれた。

 

 

真夜中にすべりこんだAgadirのHotel Oasisは、海岸の見える場所にあった。

Agadirはヨーロッパからの観光客が多いリゾート都市で、どことなくニースを思わせる。 

朝10時にホテルのフロントから電話があり、Catherineさんがホテルに迎えに来てくれたことを知る。

彼女らが宿泊している近くのHotel Igoudarに移動。

フランスから来たMara Fortunatović、ドイツから来たIlka Meyerの2人の女性アーティスト、それにパリから来たもう一人のCatherine Vincentさん(ジャーナリスト)を紹介される。

フランス語での挨拶はひさしぶり。耳がついていけるだろうか。

 

ホテルから少し歩いたBoulevard Hassan II沿いの丸い噴水のある広場に面してLa Fontaineというカフェがあり、みなでそこで朝食。

横にはなんとTour de Babelというカフェもある。南モロッコが「新シク開イタ地」展とつながっているではないか。

Agadir

 

Agadir

 

昨日の飛行機のキャンセルで、遅れてイタリアから到着した建築家/都市計画者のRoberto Zancanを空港まで迎えに行き、Tataに向けて出発する。

あと二人のモロッコ人アーティスト、M'Barek BouhchichiとAmina AgueznayはTataで合流することになっている。

ミニバスを運転するのは、Tataに住むLarbiというアラブ人のベテランドライバー。

ルートは国道10号線でAgadirからTaroudantへ、そこから109号線でアンティ・アトラス山脈を越えてTataへ。

総距離280キロほどと聞いた。

 

 

観光都市Agadirも、郊外に出れば、アフリカの都市開発を象徴するような、空漠たる土地と建物群のコントラストが目を引く。

 

 

 

山地に近づくと、たちまち見たことのないダイナミックな風景が広がる。

 

アトラス山脈は大陸衝突でできた造山山脈で、ジュラ紀の地層が圧縮されて激しく褶曲している。

褶曲線がそのまま露出し、山のシルエットを横断して、何層もうねる線が視野を囲む。

 

Taroudantは、Agadir から東へ約80km、北と東はHaut-Atlas山脈、南はAnti-Atlasに挟まれ、城壁に囲まれている。

マラケシュを小さくしたような感じの町だ。

 

Rampart de Taroudant

城壁は外側はきれいに修復されているが、内側は古く傷んだまま。

金網で近づかないようにされているが、金網の内側はゴミがいっぱい。

 

vers Tata

ランチを食べた国道沿いのレストランの前で。

 

Taroudantを出て、109号線に入ると、いよいよ南モロッコらしい赤い半砂漠の風景が広がる。

R109 de Tata

 

R109 de Tata

 

route 109 à Tata

 

route 109 à Tata

 

サバンナ・アカシアAcacia raddianaの木に山羊 Chèvre がなっていた。

 

 

à R109 de Tata, Maroc

 

à R109 de Tata, Maroc

Acacia raddiana。こんなトゲだらけの木にのぼって若葉をむさぼり食う山羊。

いや彼らが食っているのはトゲの方? とにかく有蹄類では山羊が一番好きだ。

 

vers Tata

 

タタへの道、109号線沿いの風景。大地の運動がそのままむき出しになっている。

 

 

 

夕暮れどき、涸れて水がなくなった川に沿って走る。

こうした川跡もしくは雨期にしか水が流れない川を、"oued(ウェド)"という。

半砂漠の北アフリカ特有の地理現象で、アラビア語に由来する。

この後、何度もウェドに出くわすことになる。

 

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Tataに着いたときは、もう日が暮れていた。

泊まった宿は、Hotel Relais des sables

空港で入国カードに係員がモロッコでの滞在地として適当に書いてくれたのと同じホテルだった。

 

http://relaisdessables.com
Avenue des F.A.R., 12 P30, Tata, Maroc
+212 5288-02301

 

 

 

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コメント
先生、サイコーです!!!
アトラス山脈の成り立ちとか勉強になりました。
動画は臨場感がありますね。
一緒に旅してますよ〜:)
  • by saran salima
  • 2018/03/04 1:49 PM
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