Timidité (botanique)
12 octobre 2019, samedi
超大型台風 Hagibis が東海〜関東地方を襲う。大きな被害が出ないよう祈るばかり。
幸い京都は暴風域がかすめるぐらいですみそうだが、つちのいえが心配だ。
そんななか、10月30日の塩見允枝子先生によるフルクサス演奏会のフライヤーを出稿。
背景には、クアラルンプールのマレーシア国立森林研究所 FRIMで撮った"Crown Shyness"を使った。
Crown Shyness は、樹木の樹冠が互いに触れ合わないようすきまが空く現象で、
仏語の timidité 臆病 が示すように、樹木が互いに分をわきまえて他の領域を侵害しないということだ。
塩見先生は芸術資源研究センターの特別招聘教授だが、ぼくの授業「造形計画」がフルクサスと親近性があり、この数年、ゲストにお呼びしたり(2014年)、大学会館でワークショップ型の特別授業をしていただいたりしている(2015年、2017年)。
この春、「井上さん、今年の授業はどんなことをするの?」と塩見先生から問い合わせがあり、
「空白やすきま、欠けの創造性をテーマにします」と答えたら、
「あいかわらず面白いわね」と返答があり、夏前にワークショップのメニューを届けていただいた。
驚くほど充実した内容だった。
音楽性が高いので、ピアノ専攻の砂原悟先生、作曲専攻の岡田加津子先生に相談し、いっしょに美術・音楽合同の公開式授業をすることになった。
お二人とも東京芸大音楽学部出身で塩見先生の後輩にあたる。
砂原先生からはミニピアノを貸し出していただく(先週の京都コンサートホールでのリサイタルに行けなかったのが残念)。
ミニピアノは鍵盤の数が少ない。まさに普通のピアノから見たら「欠け」ている。
塩見先生にフライヤーの校正を送ったら、
「何と不思議な樹木の写真でしょう!
まさに<時間と空間に分け入る>というタイトルにぴったりです。
どうしてこうもシンクロするのでしょう・・・。」と。
本当に不思議な縁を感じる。