installation pour la "fermentation"_2

29-30 jan. 2019

 

【難題2】円形スクリーン

もう一つの難題は、ズームの効かない超短焦点プロジェクター(SONY LSPX-P1)で、空中に吊るした円いスクリーンいっぱいに丸い映像を投影すること。

当初、円いスクリーンは《打つ輪》の内径より少し大きめにして、そこに載せるつもりでいた。だが現場で検討した結果、少し上に吊るし、空きを見せるようにする方が視覚的にも空間的にもいいことに気付く。それでしっかり独立した円形スクリーンが必要になった。

枠は竹の廃材でつくる。アルミでつくれたらそれがベストだったが、すでに切ってしまっていたし、取り寄せる時間もなかった。

 

1)円形の枠づくり:不均質な竹材を曲げて正円にするのはむずかしい。何度もナタで注意深く削る。(1/27)

LSPX-P1

ルイーズ・ブルジョワのビデオで投影実験。(1/27)

円形スクリーンの天地120cm、ということは約100型。

LSPX-P1の投射画面サイズは「22型-80型」とあるので、はじめからむちゃしている。

しかもこの関係をそのまま約220cmの高さにあげるのだ。

円形スクリーン

2)スクリーン張り:翌28日の朝、なんとか竹サークルが正円に近づき、トレーシングペーパーを張る。

竹は針金でとめたが、うっかり仮留めのビニールロープを取り忘れ、白いのが見える。

注意してくれるアシスタントもなく、何でも一人でつくるので、うっかりがよくある。はずすのはもう面倒なので、このままいく。

 

3)スクリーンの張り直し:1/29日午後、竹スクリーンはとても軽いので、4点に穴を開けて、針金で一点吊りにした。

そこまではスムーズにいったが、プロジェクターを空中に設置するために屋根裏に補強材を取り付けているとき、事件が起きた。

穴

 

野縁に取り付けていた補強材の余分を切っていたときに、それがはずれて落ち、スクリーンの紙を破ってしまったのだ。(17:30)

トレペのロール(幅180cm)はアトリエに置いてきてしまったので、替えがない。青ざめる。

家に電話するが、あとで梅田のヨドバシカメラに在庫があることがわかって、+1の河原木さんに買いに行ってもらう(ありがとうございました!)。

 

4)プロジェクターの設置:超短焦点プロジェクターを設置する棚を空中に設ける。

 

屋根裏の野縁につけた補強材から腕木をおろして平板をとめる感じで棚をつくる。

だが円形スクリーンとの関係で位置は手探り。ネジなどで高さを調節できないから、プロジェクターの下に紙など敷いて、高さや角度を調節する。

そもそもこのプロジェクターは購入したばかりで、まだうまく使いこなせない。台形補正もフォーカスも時間がかかる。

同じ棚に、DVDプレイヤーとワイヤレス中継器をのせる。

 

5)針金の影を消す:スクリーンを吊る高さを決め、プロジェクターを設置して、映像とスクリーンが合うことを確かめたのだが、針金の影がスクリーンに出ることに気づく。針金を張り直したり、引っ張ったりして、1時間以上苦闘。

 

休憩時に河原木さん・野口さんが出して下さったお茶とお菓子が、ハードな時間を和ませてくれた。​

 

【難題3】円形カウンター

画廊をぐるりと囲む円形カウンターは、もっとも早くに制作に取り組んだ(といっても年末だが)。

上に置く甕の中がのぞきこみにくいように、との藤枝さんの希望に応えて、高さを1215mmと高く設定したが、一番苦慮したのが、画廊内の人の動線を確保しつつ、空間いっぱいに広がる安定した形態と構造をどうつくるか、だった。

とりわけ、事務所へ出入りする扉が外側へも開くように、との画廊側の要請に応えるには、事務所側の壁から離さなければならず、それは円に組んだ天板を壁で固定することができないことを意味する。

何より心配だったのが、床がフラットではなく、どう波打っているかが不明な点だった。

当初、甕が5つと聞いたので、円弧も5つで設計しようとしていた。だが、真ん中に甕が来て、東西南北に4つの甕が来るとわかって、円弧は6個で設計した。5つだと切り出しをするシナランバーは4x8、だが6つだと3x6を3枚でOKだ。

年末に加工を進めた。

棚

軽やかにいくべく、シナランバーは12mm。手づくりの大型コンパスで正確に線描きし、ジグソーで切断。

円形カウンター

脚は4x8の同じ12mm厚のシナランバーから幅20.5cmで切り出したものをT字に組んで12体つくる。とめるのはビス2本のみ。

コンパクトに分解・収納・運搬できる。

円形カウンター

30日明け方、一人で画廊に広げて位置を検討する。

外周の半径は、右側の壁と事務室の扉の開閉から割り出した197cm。円の中心は、円弧と壁との接点から割り出す。

先端が柱でとまり、円周の終り近くが壁でとまるようにしたいが、なかなかぴったり決まらず、何度もやりなおす。

だが、床で決まったとしても、脚の上にのせると継ぎ目に1cm近い大きな段差ができる。床が波打っているせいだ。

これには手を焼いた。脚をヤスリがけしたり、ノコまで使って斜め切りしたり。

最終的に天板の継ぎ目をウラから金物でとめることで天板のオモテを面一にした。

天板と脚はやはり50mmのビス2本だけで固定。

サークルの端ともう一点を柱と壁でとめたせいで、見た目よりがっしりした円形カウンターができた。

(苦闘していたので、記録なし)

 

【難題4】床への投影

もう一つの難題は、床の直径150cmの塩の円盤へのプロジェクションだ。

elevation

projection
天井高がさほどないので、焦点距離の長い通常のプロジェクターでは、大きな投影面を確保しにくい。


壁面から30度近い角度で屋根裏ぎりぎりに吊るように展示し、微妙に角度を調整しながら、円盤の位置と円い映像を合せる。
床は黒いので、塩を円形に敷き詰めてスクリーン代わりにする。
なんとか円形スクリーンと映像を合わせることができたのは、一人徹夜明けの朝。

塩の円盤をどうつくるかを考えたが、スポンジゴムのスキマテープを床に円くつけて、円の縁にすることにする。

取り寄せたのが、厚み10mm、幅10mmのタフロング片面両面テープ。


30日朝8時すぎに稲垣智子さんがやってきて、テープを円く貼って塩を敷く。塩は25kgで足りた。

 

*塩は味噌や醤油、漬物などの発酵食品をつくるのに用いられるが、それよりも根本的には、塩は発酵を助ける。

雑菌の働きを抑え、発酵に必要な微生物を働きやすくするからだ。味噌を作るとき、塩で麹菌だけを繁殖させる。
 

なんとか展示が完了して、あわてて道具類を片付けていると、開廊時間の11時になった。

すべりこみだった。

 

同じ日、京芸の修了審査があった。午後4時からに順番を代えてくれて助かった。

徹夜のまま、高速を飛ばして京都に戻る。

 

 

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