index_nishioka_tsutomu_1989-2019

20 janvier 2019, lundi

 

西岡勉作品集

 

畏友・デザイナーの西岡勉さんから、作品集が届いた。

「1989年に美術館の仕事を始めて以降の制作物をまとめてみました」とある。

 

美術関係のポスターや出版物の仕事が、モノクロームの図版でコンパクトにまとめられている。

自費出版なのだろう。

西岡勉さんといえば、関西のアート系グラフィックデザインの第1人者だ。モノクロームでも見ごたえのある切れ味するどいヴィジュアルが展開するのはさすがだ。

彼のデザインの力は何よりも眼力にある。美術家の思考や作品を内側から理解して、それをクールなグラフィックに落とし込む手際はいつもあざやかだ。それを導くのが精妙な文字組。ぼくもグラフィックデザインをするので、彼の縦組みはいつも参考になる。

 

カバーの裏は写植の文字盤の写真。若いデザイナーは現物を見たことがないのではないか。

写植は90年代にDTPに座を譲ったが、西岡さんは2000年代になってもしばらく写植を使っていたらしい。

気心の知れた写植の職人さんがいたからと聞く。

デザイナーは昔は活字や写植の職人とコラボできた。DTPやデジタル出版は、そうした職人技術を滅ぼした。

ぼくが西岡さんと知りあったのは、大阪府建築士会の機関誌『ひろば』のデザインを手がけていたころだ。

当時はDTP普及以前。カッターと定規、色見本と写植見本帳だけで仕事していた。

 

西岡さんへのお礼のハガキに、「ぼくはまだ当分仕事がまとまりそうにありません」、と書き添えた。

 

 

design design

23 decembre 2019

 

design design

 

京芸のデザイン科改革のためにとった特別研究助成のお金を使って、学生や卒業生ら、若者が発言する機会をつくった。

PDのU先生が改革に熱心なのはいいのだが、進め方の問題で、学内の教員レベルでは共感者が少ないのが現状だ。

教員どうしでいくら議論しあってもラチがあかないので、自分の主張をしたいU先生を説得して、デザインとデザイン教育に関する若者たちの意見を集める場に方向を変えた。

 

デザインもアートも、ぼくは「学校で学ぶ」ことに疑問を持っているので(いやそもそも「学校」という制度を批判したイリイチの脱学校主義者なので)、学内問題にはすべて醒めているのだが、この3年間、デザイン科の問題でずいぶん調整役をさせられており、いいかげん何とか挽回したい気持ちもあった。

何せ京芸は優秀でポテンシャルの高い学生が多いので、彼らの未来のためでもある。

 

広報や当日のプログラムは全部U先生にまかせた。

ぼくがやったのは、最初にすべての椅子に大枝の柿を配したこと。

design design

会場デザインの一部だが、研究費で食べ物は買えないと言われたので、懇意の大藪農園で自費で買った。70個分を50個分の値段にしていただいた。

design design

卒業生の仲君と笠松君が、在学中、課題担当教員から聞いた言葉への疑問を話す。

彼らは "endemic"というチームをつくっていて、先月、メディアショップで展覧会をしていた。

今の時代の「当たり前」に対するこういう疑問こそ次世代は共有すべきだ。

そして芸大は、こうした疑問に応えて、いっしょに問題を探求する創造的な場でなければならない。

design design

学生や卒業生らの発言が相次いで、いい感じの場になった。

U先生らの盛り上げたいという努力も多少はみのったのではないか。

「この京芸というのは、学生たちの声を聞く耳をもっていて、みんなで京芸を変えていくことを許容する」と最後に来場者にはっぱをかけたが、はたしてこの先どうなるか。

今回はぼくたちが場を仕立てたが、学生や若手教員自身が今後も自主的にこうした横断的な議論の場をつくっていけるかどうか、

デザイン科の将来はそれにかかっていると思う。

 

 

Démontage de la terrasse de Suujin vol.6

25 novembre 2019, lundi

崇仁テラス

第6期「崇仁テラス」を撤去する。

今期の制作設置は7月28,29日

4ヶ月間も設営していたことになる。

この間、テラスの西側に市営住宅新棟が完成し(9月)、11月から市営団地からの引っ越しと入居が始まった。

来年には元崇仁小学校が取り壊しになり、芸大移転が本格化する。

京都市の高瀬川の改修計画がもちあがり、東九条の新しいまちづくりへの取り組みも始まった。

面白いのは、川の上という同じ場所(非-場所 non-lieu)にかつての空地を模した同じテラスが長年にわたって季節ごとに出現し、周りの陸地の変化の観測定点となっていることだ。

はじめに想定してやり始めたこととはいえ、実際に時間の流れのなかで経験してみると、また味わいがちがう。

テラスにいろいろ付け足したりリデザインすることもよく考えるが、実際にはベンチを置くくらいで何もしていない。

まわりが変化するから、変化しないものもちがって見えてくることがあると思うからだ。

崇仁テラス
崇仁高瀬保勝会の中村伸之さん、辻野隆雄さん、山内政之さん、井上茂樹さんが手伝ってくれる(いずれも年配)。

作業時間は9時50分から15時すぎまで。5時間少しで片づけられるようになった。

インパクトをまっすぐ使わないために、ビスのアタマをつぶされて時間をとられることがよくあるのが不満。

崇仁発信実行委員長で、あちこち飛び回って被差別部落の人権問題を当事者として講演している藤尾まさよさんが、作業を見守りに来てくださった。膝を痛めているというのに、申し訳ない。

 

崇仁テラス

みなさんが帰ってから、道具を片づけに元崇仁小学校の納屋に行くと、高瀬川の上に吊るした角材が落ちているのに気づく。

昨年11月の東九条マダンの併催イベント「水のいきものでアートする」で地域の子供たちの絵を吊るすために使ったものだ。

それを片づけているときに高瀬川の水流がとても弱くなって、落ち葉やゴミがいっぱいたまり、流れをせき止めていることに気づいた。

やはり高瀬川の水量をもっと上げねばならない。

 

元崇仁小学校ミカエル

元崇仁小学校の運動場の北川で伊達伸明さんが巨像「ミカエル」に目を描き入れていた。

一人だけで作業している。自分もよくやることなので、声をかけた。

伊達さんは、2年ほど前、神戸アートビレッジセンターの新開地をテーマにした展覧会を引き継いでやってくれた。

巧みな手わざとユーモアと知性があり、信頼できるいいアーティストだ。

 

 

le ciel en pentagone

15 novembre 2019, vendredi

 

京芸の授業「造形計画2」は、今年は「地・図」というテーマに取り組んでいる。

前期はもっぱら平面上で「地と図」の問題に取り組み、いろんな実習課題やレクチャーをやった。

後期は同じ視点から空間や風景に取り組む。

とりわけあと4年で移転となる京都芸大の沓掛キャンパスという「地」に取り組むことがテーマだ。

この日は、一番高い新研究棟の屋上に、「正五角形の青空」を浮かばせることに取り組んだ。

昨年は大学会館ホール内で参加者の少数だったので、実践の背景(地)がまったく異なる。

 

正五角形の青空

前週に10分の1の模型をつくったので、優秀な京芸生たちなら構造は覚えていると思う。

正五角形の青空

正方形のベニヤ20枚と、ボルトとナットが35セット。

ペンチなど道具を使わず、手だけで組み立てる。

正五角形の青空

正五角形の青空

制作に要したのは30分。みな初体験だったが、慣れたら15分くらいでできるはず。

正五角形の空

軽くて丈夫なので、持ち上げてみる。ドームの迫力が増す。(これは阿部虹音撮影)

正五角形の青空

きれいに正五角形の青空が浮かんだ。

 

正五角形は対角線どうしが黄金分割しあう。

ピタゴラス教団のシンボルマークでもあった。

自然や宇宙の原理を探求した古代の自然哲学にあこがれる。

 

こういう超越的な志向、今の芸大生にどれだけわかってもらえるか。

おそらく共感してくれるのは1割に満たないと思う。

人文社会的な関心が芸術を支配しすぎている。

いやぼくが人間心理に関心がなさすぎるのかもしれない。

 

 

plafond

11 novembre 2019, lundi

 

cafeSOL

Book&Cafe SOLのヤンソルさんから、1階のカフェスペースの天井から微妙に埃が落ちるとの知らせをいただいていた。

2階を改装していたとき、大学院生が天井板を踏み抜いたことがあり、床も張り替えたので、そのせいですきまができていたと思われる。

cafeSOL

子細に観察して、梁と天井板のすきまであろうと判断し、そこをパテ埋めして、墨を塗った角材(35mm)を付け回すことにした。

午後3時から一人で作業。

歩いて数分の元崇仁小学校に駐車できるのが助かる。

cafeSOL

cafeSOL

cafeSOL

cafeSOL

作業していて、埃は天井から直接ではなく、梁の出っ張りにたまった埃が振動で舞い落ちているのかもしれないと思う。

 

cafeSOL

cafeSOL

2階は床も張られ、あとは窓と押入れぐらいか。天井もきれいに仕上がっている。

ガラスを割ってしまった窓は、凝ったことにステンドグラスにするという。

12月にお披露目会?