disparition et archives

18 février 2018

 

これまでの簡単な作品カタログをつくって提出しないといけなくなり、この丸2日つぶれた。

さらに新しいドメインの取得とサーバーの設定にとまどり、「ほしをみるひと」の作業がおくれている。

 

柳原銀行記念資料館に借りていた資料を返却に行って、空き地の工事が始まっていることを知った。

土地の敷地を画定する薄緑の柵がみな撤去され、地面がむき出しになっていた。

崇仁空き地工事

昨秋、崇仁テラスを撤去したとき、この空き地に入って、ここが消えるだろうことを確認した記憶がある()。

本当にそのときが来たのだ。

ここに新しい高層の崇仁住宅団地が建ち、今の市営団地の人たちが移住してくる。

すぐ横に京都芸大が移転してくる。

 

崇仁空き地工事

工事の敷地がフェンスで囲まれている。

こちらの道路は搬入路になると聞いたが、使わないのだろうか。

それなら、近所に住むお年寄りが散歩に使えるようにもう少し整備したらどうか。

 

工事が始まると、春の崇仁テラスの設置作業がむずかしくなるかもしれないと思っていたが、大丈夫そうだ。

 

「ほしをみるひと」のために丸い大きな黒板をつくろうとして、コーナン吉祥寺店に材木を買いに行く。

ギャラリーアクアでやってる京都芸大の同窓会展にぼくが寄贈した資料が展示されているらしく、それに関するアーカイブのワークショップをするとかで、30分おくれでアクアに着く。

予想通り、参加者は芸術学の二人だけ。

1990年のアートスペース虹の企画展「ノート'90」のDMとそのデザイン資料、ぼくがデザインした『静物』展図録(1990)と、それをコピーしてつくられた滋賀県立近代美術館の『コピーの時代』展の図録(2004)を持参した。後者は企画した学芸員(当時)の尾崎佐智子さんから送呈されたものだ。

 

28年前はまだDTP普及以前で、デザイナーは頭の中の色見本とカッターナイフ一本で仕事ができたことを伝えた。

当時は、写植や活版職人、印刷会社のレタッチ部門の職人とつながっていたことも。

DTPを含めた効率化はそうしたつながりを断ち切った。

効率化は、目的にできるだけスムーズに到達することをめざす。

そのことによって、さまざまな人やモノや場所と関わることで育まれてきた知恵や技術が失われる。

伝わっただろうか。

テクノ資本主義を支配する効率化のイデオロギーが何よりも芸術の敵なのだ。

次年度の授業、「目的のない行為」をテーマにするか。

 

La terre il y a cinq cents millons

samedi, 10 février 2018

 

この日、石牟礼道子さんが亡くなった。

宮澤賢治とともにぼくがもっとも尊敬していた文学者だ。

宮澤賢治もそうだったが、思想も詩も、生きとし生けるものがすべて溶け込んだ言葉の使い方がまったく異次元で、世界的にもっと高く評価されていい作家だった。

 

5億年前の地球を考える。

地球は青い海と茶色い大地の2色だった。

陸地にはまだ一本の植物も生えていない。細菌もいないから、モノが腐るということもない。

上空にオゾン層がまだ形成されていなかったから、地表は強烈な紫外線で殺菌状態にある。

細菌も生息できない完璧な不毛の大地。すばらしい。

 

そもそも太陽風に吹きさらしの地球が、地磁気に守られるようになったのは27億年前。

火星にも金星にも地磁気はない。吹きさらしの惑星だ。

地磁気に守られた地球で、ラン藻による光合成が始まったのもこの頃だ。

当時の地球上の酸素は現在の10万分の1、「酸素はなかった」といえるレベルだ。

22億年前に酸素濃度は急上昇し、現在の1%程度になった。

6億年前に酸素濃度がほぼ現在と同じような状態に達した。

エディアカラ生物群がこのころ出現する。

5.4億年前から例のカンブリア紀(〜4.85億年前)。

だがカンブリアの爆発は海の中の話だ。

陸地にまだわずかの細菌しかいない。

地表にとどく紫外線量が少なくなって、ようやく地衣類が陸上に進出する。

光合成ができる藻類とできない菌類の共生体だが、「地の衣」とはよく言ったものだ。

ごく一部の地が衣をかぶるようになったのは、カンブリア紀の次のオルドビス紀(4.85〜4.44億年前)のころだ。

同時期に節足動物も陸地に足跡を残し始める。

このころはゴンドワナ大陸が北半球から南極まで広がっていた。

 

陸地に進出したかたちのわかる最古の植物としてクックソニアというのが有名だ。

根も葉もなく、先端に胞子嚢がついている緑色の植物。

大阪市立自然史博物館に、カイワレ大根を思わせる復元模型がある。

cooksonia

 

土は、不毛の大地とそこに進出した生命のフュージョン。有機物なしに土はない。

だから地衣類もクックソニアもない5億年前、まだ陸地に土はなかったといえる。

つまり土のまったくない地表が40億年以上あったのだ。

 

そして2.5億年後以降、また超大陸「パンゲア・ウルティマ Pangaea Ultima」ができる。

気候も生態系も今とはまったく異なる地球の姿。

人間以前、人間以後の世界。想像できるか。

 

 

Regardez des étoiles et le nettoyage du Takasegawa vol.8

mercredi 31 janvier 2018

 

この日は、皆既月食とスーパームーンとブルームーンが重なる約260年に一度の日。

同じ日に、今企画している展覧会「ほしをみるひと」のチラシができたのが奇遇。

自分でやらずに、デザイン科の辰巳先生にお願いした。だからよけい奇遇。

皆既月食2011/12/10

 

皆既月食は20時45分からはじまり、23時8分まで続いた。

途中雲がかかったが、欠け始めと月食の終わりは目で見ることができた。

なれないスマホのため、撮影はできなかった。なのでこの写真は2011年12月10日皆既月食のときのもの。

 

おそらく、今のように人間の文明が地球を覆い尽くしていなかった時代、
「ほしをみる」ことは人の生存に深くかかわっていただろう。
空はもっと広かったし、輝く星の数も比べ物にならないくらい多かっただろう。
地平線や水平線が人の生きる環境を縁取り、
人はほしをみることで自分たちの位置や行き先や過去や未来を把握しただろう。
ほしをみることは生存の確かな手がかりを得ることと不可分だった
 そして地球もまたひとつの星(惑える星)である。

そのことを誰よりも感得していた芸術家の一人が宮澤賢治だ。
「ほしをみるひと」は、藤原隆男先生の退任記念展でありながら、
そうした根本的なことを再確認する機会になればと思う。

 

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第8回高瀬川の川掃除のフライヤーもこの日に納品された。

今年はメインに使う写真を変えた。

 

clean-takasegawa

 

こんなに人が集まればいいが。