Les rapports

lundi, 9 avril 2018

 

4月になって、去年行なったワークショップやセミナーの報告書が各大学から届く。

reports

静岡大学教育学部の「ワークショップ100」でやった二つのワークショップ:「アートブック『偶然歌集』をつくる」「世界を測る」。

九州大学芸術工学部のソーシャルアートラボでやったフォーラム:「クリエーティブ・アーカイビングの手法」。

 

いずれも文化庁の「大学を活用した文化芸術の推進事業」の助成金による。

ぼくが務める京都芸大も、同じ助成金で移転プレ事業"still moving”や、アートマネジメント人材育成事業「状況のアーキテクチャー」を行なっている。

文化庁は「アートマネジメント」とやらには助成するが、かんじんのアーティスト育成への助成はきわめて貧弱だ。

助言する人間が文化政策やアートマネジメントの専門家なのだろうと推測する。

何かまちがっている気がする。

 

・ ・ ・

昨日、ギャラリーマロニエの企画展「自我像」への出品作品、搬入締切のギリギリになって完成。

「自我」というのは自分の関心から一番遠いテーマだが、制作プロセスが自分らしかった。

行き当たりばったりなのだ。

その「ばったり」という感じそのものの作品。なのでタイトルは「Rencontre (出会い)」とした。

このところ大きな展覧会やプロジェクト、イベント続きで忙しかったが、個人的な制作はやはり楽しい。

自分本来のあり方を思い出させてくれた。

 

Rencontre

"Rencontre"(部分)

 

それにしても休みのない日々が続く。。。

庭の楠の若葉がみずみずしく光と戯れる季節になった。

 

楠

Suujin terrasse_v.2, 7 avril 2018

samedi, 7 avril 2018

 

崇仁高瀬川保勝会の月例川掃除の日。

この日は、京都府保健環境研究所の専門家三人の指導で、児童館の子供たち20人が、水の生きもの調査を行う。

 

午前9時から、七条大橋をキレイにする会に参加して、七条大橋界隈の鴨川河岸の掃除。

10時半から元崇仁小学校体育館の西側(崇仁高瀬川保勝会作業所)でひとりベンチを組み立てる。

「ほしをみるひと」展のライブラリーコーナーのためにつくった円環状本棚の部材を転用する。

 

ほしをみるひとライブラリー

ほしをみるひとライブラリー(2018年3月10日〜25日、ギャラリーアクア)

 

テラス円環ベンチ

本棚の背板を取り換え、板上面とツライチにして脚を固定する。

 

テラスベンチ

直径360cmの円を手製コンパスで描く。(撮影:藤尾まさよ)

 

テラス円環ベンチ

児童館の子供たちに説明する中村伸之さん(崇仁高瀬川保勝会事務局長、京都景観フォーラム理事)。

ベンチが役に立ってうれしい。

生きもの調査

生きもの調査は、具体的には水質調査の指標となる水生昆虫をつかまえることから始まる。

網はDフレームネットといい、ふりまわすのではなく、D字の直線部分を水中に沈めてしばらく待って引き上げる。

水底の生きものを取るためだ。水流のせいでさまざまな生きものがひっかかる。

 

生きもの調査

 

生きもの調査

生きもの調査、子供だったらぼく自身のめりこんでいただろう。

保健環境研究所のホームページに充実した情報が掲載されている。

 

顕微鏡

最近の顕微鏡というのを始めて見た。

ゲンジボタルの幼虫。

 

 

崇仁テラス

3ヶ月前にはあった川向こうの空き地は消え、基礎工事が始まっている。

夕方から雨が降り出し、サークルベンチは未塗装なので、いったん分解して作業所に片づける。

 

テラスの上にベンチはあった方がアフォーダンスは発生するが、何もないという状態も悪くないと思う。

そもそもこの崇仁テラスとは、川の上に浮ぶつかのまの空き地 terrain vague なのだ。

"vague"というのは「あいまいな」という意味だが、日本語の「空き」、英語のvacant よりもぼくが考えていることに近い。

「所有や使途が曖昧模糊として未規定の」土地。

それは人類以前にこの大地の上に広がっていた。

 

洪水の夢を見る。

 

 

Suujin-Terrasse vol.2 et le cerisier spécial

dimanche, 1 avril 2018

 

3月31日朝10時、資材運搬から始めて、翌4月1日午後5時、「崇仁テラス, 2018春ヴァージョン」ができた。

4月7日(土)の川掃除のあとに花見会を、など言っていたが、桜の開花が例年より早く、あせっていた。

だが、いみじくもテラス設置作業を見守ってくれた桜によって、桜の認識をあらたにすることになった。

 

桜流る_崇仁

桜流る_崇仁

3月28日、南禅寺舟溜から高瀬川に行くと、満杯の桜花が川面に。

だが、傍らの桜はもう葉が出ていて、花もちらほら。変わった桜だな、大丈夫かなと思う。

 

3月30日(金)夕方、足りない足場板2枚をトラックで元崇仁小学校体育館横の作業場に運ぶ。

いつも川掃除を率先してされる近所の吉田さんとぐうぜん出会い、手伝ってもらえることになる。

崇仁テラス
3月31日(土)、朝、吉田さんが崇仁鉾の収納庫に大きな台車があるというので、資材運搬のため借り出す。

二人で材木を元崇仁小学校から現場へピストン輸送。昼にはすべての材料を運ぶことができた。

 

崇仁テラス制作

午後から柱を建て始める。

吉田さんが本当に熱心に手伝ってくれる。

ゴミを拾ったり雑草を抜いたり、いつも進んで崇仁のまちをきれいにしていて、知事や市長から表彰されたことがあるという。

72歳というがとてもお元気だ。

崇仁テラス制作

昨秋、解体のときに手伝ってくれた迅君がやってきて、また手伝ってくれる。迅君は今年中学校に進学する。

お父さんは大工だそうだ。

崇仁テラス制作

資材搬入のため、フェンスを開けてもらっていたので、近所の親子が入ってくる。

飛び石で楽しそうに遊んでいる。川の流れるこの地域の将来の姿をかいまみた感じ。

 

崇仁テラス制作

4月1日(日)、この日も吉田さんが手伝いに来てくれる。

幅木と筋交いで構造を強化。

昼休みはコンビニでサンドイッチを買って、一人河原で食べる。

鴨たちも桜の花びらに顔をつっこんで、何か(水草?虫?)を食べている。

晴天にめぐまれ、本当に気持ちがいい。

水も光も石も生きものも、すべてと一緒に存在している自分を感じる。

野外での作業がいいのは、この至福の気分を味わえることだ。

 

川底が土砂のせいで平らでないので、柱がまっすぐたっていない。

 

崇仁テラス制作

なんとか仕上げたが、南北両端の柱の向きをまちがった。

人が手伝ってくれるのは助かるが、急かされたりするとミスが出る。

吉田さんはとてもせっかちな人で、構造強化が終わってないのに、足場板を勝手に置いていく。

「やり直し」というと、ぷーっと怒る。やれやれ。どんな人生を歩んできたのだろう。

 

オオシマザクラ

 

通りがかった人に、たもとの桜はオオシマザクラだと教えてもらった。

ふつうのソメイヨシノが葉より先に花が開くのとちがって、オオシマザクラは葉が出るのと平行して花が開く。

wikipediaで調べただけの浅知恵だが、オオシマザクラは日本固有種で、ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンを交雑させた園芸種で、基本的にクローンらしい。

桜というとソメイヨシノを思ってしまうのは、明治以降の習慣にすぎなかったのだ。

そういえば、葉もないのにいっせいに花が咲き、いっせいに散るソメイヨシノは、どこか不自然なところがある。

人工的な厚化粧ともいえるソメイヨシノに比べ、野生種のオオシマザクラの緑葉と白い花のコンビネーションは、上品で素朴な美しさを見せる。

芳香もすばらしい。葉は塩漬けにして桜餅にも使われるという。

オオシマザクラを見慣れると、ソメイヨシノの派手さが鼻につく。

崇仁高瀬川沿いに唯一残されたのが、野生種のオオシマザクラだったというのは、何かと象徴的だ。

今後、崇仁地区にも芸大にも、植えるべきはソメイヨシノではなく、オオシマザクラではないか。

 

崇仁テラス制作

でき上がったばかりのテラスの最初の訪問客は、ロンドンからの観光客夫妻。テラスに仲よく座って食事。

この場所は、塩小路通りから見えやすいようで、観光客がよくふらりと立寄る。

鴨川沿いの派手な桜通りに比べて、ひっそりして地味だが、ホウキモモも満開で、玄人ならこちらの方がいいだろう。

川の上で人と人、人と自然が交わる「テラス」というのは、ぼくが考えた芸大の基本構想そのもので、特にこの場所は、芸大の敷地内ではないものの、将来、きわめて大事なへそのような場所になるだろう。

じつはやってみてはじめてわかったことだけれど。

 

崇仁テラス制作

 

オオシマザクラと崇仁テラス、ソメイヨシノと柳原銀行記念資料館を一緒に納めたショット。

「崇仁テラス」のモデルとなった囲われた空き地はもうない。再来年には高層団地がたつ。